※本記事は、FDA(米国食品医薬品局)・消費者庁・こども家庭庁・米国小児科学会(AAP)・厚生労働省など公的機関や学会の公開情報をもとに、編集部が独自に整理した一般的な情報です。診断・治療を目的とするものではありません。赤ちゃんの睡眠環境の安全と、頭の形に関する判断については、自己判断せず小児科など医療機関にご相談ください。本記事では、安全上の理由から乳児向けの枕(ドーナツ枕・頭部整形枕を含む)の販売リンクは掲載していません。
「赤ちゃんに枕は必要?」「頭の形が気になるからドーナツ枕を買おうか」「いつから枕を使う?」——赤ちゃんの枕について調べると、たくさんの商品が出てきます。でも、公的機関の見解は「乳児に枕は必要なく、むしろ使わないほうがよい」というものです。この記事では、その理由と、頭の形が気になるときにどうすればよいかを、公的機関の情報にもとづいて整理します。
1歳ごろまでの赤ちゃんには、枕は使わないでください。柔らかい枕は、赤ちゃんの顔が埋まって窒息する危険があり、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク要因にもなります。消費者庁は、ふかふかの柔らかい敷き布団・マットレスや枕は、うつぶせになった場合に顔が埋まり窒息するリスクがあると注意を呼びかけています。こども家庭庁も、寝床に柔らかいものを置かないよう求めています。特に、頭の形を整えるとうたう「ドーナツ枕(乳幼児用頭部整形枕)」については、FDA(米国食品医薬品局)が「乳幼児突然死や窒息死の危険性があるため、使わないでください」と明確に呼びかけています。赤ちゃんの寝床は、平らで硬めの敷き寝具だけにして、枕・タオル・ぬいぐるみなど何も置かないのが、いちばん安全な形です。
BabyBest編集部は、2人の子どもを育てながら当サイトを運営しています。頭の形が気になって「何かしてあげたい」と思う気持ちは、とてもよく分かります。だからこそ本記事は、FDA・消費者庁・こども家庭庁・米国小児科学会・厚生労働省など公的機関や学会の情報をもとに、安全性を最優先に整理しました。安全上の理由から、この記事では乳児向けの枕の販売リンクを掲載していません。商品を紹介するより、正確な情報をお届けすることを優先しています。
1歳ごろまでの赤ちゃんに枕は不要で、使わないほうが安全です。赤ちゃんの背骨は丸みを帯びていて首元にすき間ができにくいため、枕がなくても寝苦しくなりません。むしろ柔らかい枕は窒息・SIDSのリスクになります。頭の形を整えるとうたうドーナツ枕(頭部整形枕)は、FDAが「使わないでください」と注意喚起しており、効果自体も実証されていません。米国小児科学会は、枕の使用は2歳以降としています。頭の形が気になるときは、市販の枕ではなく、抱っこや遊びの時間の工夫(体位の変化)と、必要に応じて医療機関への相談が正しい対応です。
※「枕がないとかわいそう」ではありません。何もない寝床が、赤ちゃんにとって安全な寝床です。
なぜ赤ちゃんに枕は必要ないのか
- 赤ちゃんの背骨は丸みを帯びており、首元にすき間ができにくい
- 大人が枕を使う理由(S字カーブのすき間を埋める)が赤ちゃんには当てはまらない
- 枕がなくても寝苦しさにつながりにくいと考えられている
そもそも、なぜ大人は枕を使うのでしょうか。大人の背骨は、首から背中にかけてゆるやかなS字カーブを描いています。あおむけに寝ると首の後ろにすき間ができるため、そこを埋めて負担を減らす目的で枕を使います。ところが生まれたばかりの赤ちゃんの背骨は、丸みを帯びたカーブに近い状態にあるとされています。つまり、あおむけに寝ても首元に大きなすき間ができにくいため、枕がなくても寝苦しさにつながりにくいと考えられています。「枕がないと首が痛いのでは」「かわいそう」と感じるかもしれませんが、それは大人の感覚です。赤ちゃんにとっては、平らな寝床がいちばん自然で快適な状態。むしろ枕を入れることで、顔が埋まる・首が前に曲がって気道が狭くなるといったリスクが生まれます。米国小児科学会(AAP)と国立衛生研究所(NIH)も、枕などの柔らかいものがない平らな面で、あおむけに寝かせることを推奨しています。寝床づくりの詳細は安全な寝床づくりをご覧ください。
ドーナツ枕(頭部整形枕)についてのFDAの注意喚起
- FDAは「使わないでください」と明確に呼びかけている
- 頭の変形を防ぐ・治すという効果が実証されていない
- 枕はSIDSの要因になるものと同列に扱われている
頭の形を整えるとうたうドーナツ枕・絶壁防止枕(乳幼児用頭部整形枕)について、FDA(米国食品医薬品局)は明確な注意喚起を出しています。声明の内容は、「乳幼児用頭部整形枕(ドーナツ枕他)は、乳幼児突然死症候群(SIDS)を含む乳幼児突然死や窒息死の危険性があるため、使わないでください」というものです。理由は2つ挙げられています。①頭の変形の予防または治療を目的として販売されているが、その有効性が実証されていない。②枕は、おもちゃ・柔らかいもの・緩んだ寝具の使用と同様に、乳幼児突然死症候群の要因になっている。
つまり、効果が確かめられていないうえに、危険があるという評価です。日本国内で販売されているドーナツ枕・絶壁防止枕についても、安全性と有効性を独自に検証した大規模な研究は確認されていないとされています。「日本の製品だから大丈夫」という根拠は、今のところありません。ドーナツ枕は中央がくぼんだ形状のため、顔が沈み込む・すき間に挟まるといった危険も指摘されています。あわせて、素材が劣化して破片が出た場合の誤飲、長時間同じ姿勢による首への負担も懸念されています。「頭の形のために」と思って使ったものが、赤ちゃんを危険にさらす——これは避けたい事態です。当サイトでは、この点をふまえ、乳児向けのドーナツ枕・頭部整形枕はおすすめしていません。
頭の形が気になるときはどうする?
- 位置的な頭の変形は珍しくない・多くは成長とともに目立ちにくくなる
- 日中の抱っこや遊びの時間で、頭にかかる圧力を分散させる
- 気になるときは市販の枕ではなく、医療機関に相談する
「向き癖があって頭の形がゆがんできた気がする」——これは多くの家庭が経験する悩みです。実際、寝ている姿勢による頭の変形(位置的頭蓋変形)は珍しくなく、米国の臨床統計では乳児の発生率は13%程度とされ、頭蓋変形の85%は生後1年以内に起こると報告されています。決してめずらしいことではありません。
①起きている時間の姿勢を変える——あおむけ寝は睡眠中の安全のために欠かせませんが、起きている時間に、大人が見守りながらうつ伏せの姿勢で遊ばせる(タミータイム)と、後頭部にかかる圧力を分散できます。必ず目を離さず、機嫌のよいときに短時間から。②抱っこの時間を増やす——抱っこしている間は頭に圧力がかかりません。③向き癖と反対側に興味を向ける——声をかける位置やおもちゃを置く位置、ベッドの向きを変えて、自然に反対を向く時間をつくります。④寝る向きを毎回同じにしない——寝かせるときの頭の向きを日によって変えます。いずれも、寝床に物を足さずにできる工夫です。
そして、気になるときは市販の枕ではなく、医療機関に相談してください。頭の形の治療には、医師の診断にもとづく形状誘導ヘルメット(矯正ヘルメット)という選択肢があります。これは厚生労働省の資料でも「乳児の外圧による頭蓋変形(変形性斜頭・変形性短頭症)」を対象とし、頭の突出した部分に受動的に圧力を加えて形状を改善するものとされ、米国では生後3か月から18か月までの中等度から重度の変形が対象とされています。赤ちゃんの頭から採型して作る医療機器で、市販のドーナツ枕とはまったく別のものです。適応や時期の判断には診察が必要なので、気になる場合は小児科や、頭の形の外来がある医療機関に相談を。詳しくは赤ちゃんの頭の形ケア|向き癖対策とヘルメット治療の考え方で解説しています。
枕を検討できるのはいつから?
- 米国小児科学会は枕の使用を2歳以降としている
- 自分で寝返りができ、体を自由に動かせるようになってから
- 2歳以降でも枕は必須ではない・様子を見て判断する
では、いつから枕を使えるのでしょうか。米国小児科学会(AAP)は、枕の使用は2歳になってからと勧めています。理由は、2歳以降になるとベビーベッドで寝ることがなくなり、手助けなしで完全に動いたり寝返りを打ったりできるようになるから。自分で顔の向きを変えたり、体勢を直したりできることが、枕を使ううえでの前提になります。逆に言えば、それができない時期に枕を使うのは危険だということです。
ただし、2歳を過ぎたら枕が必要になる、というわけではありません。子どもによっては、枕なしのほうがよく眠れることもあります。使う場合は、高さが低く・硬さがしっかりしていて顔が沈まないものを選び、洗えると衛生的です。使い始めたら、寝ている様子を見て、嫌がる・寝つきが悪くなるようなら無理に使わないこと。幼児期以降も、寝具まわりに余計なものを増やさないのが基本の考え方です。なお、吐き戻し対策の傾斜枕などを検討する場合は、自己判断せず医師や助産師に相談してください。
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よくある質問
- 赤ちゃんに枕はいつから必要ですか?
- 1歳ごろまでは使わないでください。米国小児科学会は、枕の使用は2歳以降としています。赤ちゃんの背骨は丸みを帯びていて首元にすき間ができにくいため、枕がなくても寝苦しくなりません。むしろ柔らかい枕は窒息やSIDSのリスクになります。2歳以降も枕は必須ではなく、子どもの様子を見て判断すれば十分です。
- ドーナツ枕は頭の形に効果がありますか?
- 効果は実証されていません。FDA(米国食品医薬品局)は、乳幼児用頭部整形枕(ドーナツ枕など)について、頭の変形の予防・治療の有効性が実証されていないうえ、乳幼児突然死や窒息死の危険性があるとして「使わないでください」と呼びかけています。日本で販売されている製品についても、安全性と有効性を検証した大規模な研究は確認されていません。
- タオルを丸めて枕代わりにするのはどうですか?
- おすすめしません。タオルも、厚みや置き方によっては顔をふさぐ可能性があります。寝ている間の赤ちゃんの顔まわりには、何も置かない状態にしておきましょう。枕・タオル・ぬいぐるみ・クッションなど、柔らかいものは窒息のリスクにつながります。寝床は、平らで硬めの敷き寝具だけにするのが基本です。
- 頭の形が心配です。どうすればいいですか?
- 市販の枕ではなく、まず安全にできる工夫を試し、気になるときは医療機関に相談してください。起きている時間に見守りながらうつ伏せで遊ばせる、抱っこの時間を増やす、声かけやおもちゃの位置で向きを変える、寝かせる向きを日によって変える、といった方法があります。医療機関では、必要に応じて形状誘導ヘルメットという選択肢もあります(医師の診断が必要です)。
- 吐き戻しが多いので傾斜をつけたいのですが。
- 自己判断で寝床に傾斜をつけたり物を敷いたりせず、医師や助産師に相談してください。傾斜のある寝具は、赤ちゃんがずり落ちて姿勢が崩れ、かえって危険になることがあります。米国小児科学会も、平らな(傾斜のない)面で寝かせることを推奨しています。吐き戻しが激しい場合は、授乳後の姿勢や授乳方法も含めて、専門家に相談するのが安全です。
- 枕がないと赤ちゃんがかわいそうではないですか?
- その心配はいりません。赤ちゃんの体は、枕がない状態が自然です。大人が枕を使うのは首元のすき間を埋めるためですが、赤ちゃんの背骨は丸みを帯びていて、そのすき間ができにくい構造になっています。「何もない寝床」は、赤ちゃんにとって物足りない場所ではなく、いちばん安全に眠れる場所です。
まとめ
1歳ごろまでの赤ちゃんに枕は必要なく、使わないほうが安全です。赤ちゃんの背骨は丸みを帯びていて首元にすき間ができにくいため、枕がなくても寝苦しくなりません。柔らかい枕は窒息やSIDSのリスクになります。頭の形を整えるとうたうドーナツ枕(頭部整形枕)については、FDAが「使わないでください」と注意喚起しており、効果自体も実証されていません。枕を検討できるのは、米国小児科学会の見解では2歳以降で、それでも必須ではありません。頭の形が気になるときは、市販の枕ではなく、抱っこや遊びの時間の工夫と、医療機関への相談を。当サイトでは安全上の理由から、乳児向けの枕はおすすめしていません。寝床の整え方は安全な寝床づくり、頭の形は赤ちゃんの頭の形ケアもご覧ください。
- FDA(米国食品医薬品局) 乳幼児用製品の使用に関する保護者・養育者向けの推奨(乳幼児用頭部整形枕は乳幼児突然死や窒息死の危険性があるため使用しないよう呼びかけ/有効性が実証されていない)
- 消費者庁 0歳児の就寝時の窒息死に関する注意喚起/赤ちゃん用の寝具に関する解説(柔らかい敷き布団・マットレス・枕はうつぶせ時に顔が埋まり窒息するリスク)
- こども家庭庁 乳幼児突然死症候群(SIDS)について(寝床に柔らかいものを置かない/掛け布団の代わりにスリーパーなど着るもので温度調整)
- 米国小児科学会(AAP)・国立衛生研究所(NIH) 枕などの柔らかいものがない平らな面であおむけに寝かせる推奨/枕の使用は2歳以降
- 公益社団法人日本小児科学会 乳児の安全な睡眠環境の確保について
- 厚生労働省 形状誘導ヘルメットに関する資料(乳児の外圧による頭蓋変形が対象/頭部の採型により作製/米国では生後3〜18か月の中等度〜重度が対象)
BabyBest編集部 2人の子どもを育てながら、育児グッズ比較メディア「BabyBest」を運営しています。本記事は、FDA・消費者庁・こども家庭庁・米国小児科学会・厚生労働省など公的機関や学会の公開情報をもとに、一般的な情報として作成しました。診断・治療を目的とするものではありません。安全上の理由から、この記事では乳児向けの枕(ドーナツ枕・頭部整形枕を含む)の販売リンクを掲載していません。赤ちゃんの睡眠環境や頭の形についてご不安があるときは、自己判断せず小児科など医療機関にご相談ください。詳しくは運営者情報をご覧ください。
※本記事の情報は執筆時点のもので、一般的な情報の紹介です。診断・治療を目的とするものではありません。1歳ごろまでの赤ちゃんの寝床には、枕・タオル・ぬいぐるみなど柔らかいものを置かないでください。窒息やSIDSのリスクにつながります。頭の形が気になる場合や、寝床・寝かせ方についてご不安があるときは、自己判断せず小児科など医療機関にご相談ください。
